こんにちは、神戸市兵庫区にある北村歯科医院です😄⭐️
今日は口腔機能発達不全症についてお話します。
口腔機能発達不全症は、
先天性の疾患などがない健常児において、食べる・話す・呼吸などの機能が十分に発達していない、もしくは正常な機能を獲得できていない状態を指す疾患です。
これに当てはまる場合、歯科や耳鼻科などの専門的な支援を必要としていると言えます
小児期の口腔機能は常に、機能の発達・獲得(リハビリテーション)の過程にあり、各成長のステージにおいて正常な状態も変化し、機能の発達が遅れていたり誤った機能の獲得があればその修正回復を早い段階で行うことが重要です。
【食べる機能不全】
食べるという行為は食べ物を認識して、口に運び、噛み、舌で丸めて飲み込むという一連の流れから成り立っています。この流れをスムーズに行うことができない原因が口の中にあるかもしれません。
例として、
①生えてくるのが遅い歯がある
②歯列不正(出っ歯、受け口、ガタガタに生えている)がある
③痛みを伴うような大きな虫歯がある
④食事中によく食べこぼす
⑤クチャクチャと音をたてて食べている
⑥噛まずにほとんど丸飲みしている、など。
【話す機能不全】
話す機能の中でも、正しい音を出す機能は、一般的には5〜6歳頃に完成すると言われています。
カ・サ・タ・ナ・ラの各行の音が正しく発音できていない(たとえば、サカナがタカナになる)場合は、歯科、耳鼻科、両方の目線で原因の捜査と支援が必要かもしれません。
例として、次のようなことが見られることがあります。
①普段から上の前歯が口元から見えている
②口を閉じると顎先にシワができる、などの場合、唇がうまく閉じれていないことが考えられます。
①舌を前に出すとハートの形になる
②口を開けたまま舌で上の前歯を触れない、などの場合、舌をうまく動かせていないかもしれません。
唇・舌・頬の筋肉の力不足や不調和、形態異常などによって生じていることがあります。
【呼吸機能不全】
鼻呼吸は、身体にとって最も適切な呼吸方法とされています。吸った息が鼻腔を通ることで、湿り気のある暖かい空気が肺に届けられます。一方で、吸う息が口を通る“口呼吸”には、歯科的に好ましくない影響が多く生じます(歯列の乱れ、顔面の形態異常、虫歯の誘発、歯周病の憎悪など)。
呼吸機能不全のある児童には次のような傾向があります。
①口が乾燥している(口臭が強くなっていることがあります)
②鼻がつまっているわけでもないのに、口で息をしている③いびきをかいて寝ている
④仰向けで寝始めたのに横向きやうつ伏せで寝ていることが多い
⑤食べ物が飲み込みにくそう、など。
これらの機能不全、子どもたち自身が異常として認識していないことが多く、最初に気付くのはやはり、普段から一緒に生活している保護者であることがほとんどです。
この機会にお子さんの口元に注目してみてはいかがでしょうか。
これらを改善するためには、口腔筋機能療法(通称MFT)が必要です。
MFTは舌や唇、頬などのお口の周りの筋肉を正しく動かせるように機能トレーニングをする療法です。
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参考文献:口腔機能発達不全症に関する基本的な考え方(日本歯科医学会)
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